7/31(木)



最近気が付いたコト

名字に「須」が入っている人は対人関係において人当たりがキツイ。

「須」が入っているといっても幾通りもあるはずだが、不思議な共通点がある。



直属の上司であり、指導員でもある須毛瑠豚(仮名)は

部下(俺)を毎日毎日ロープでしばってムチとロウソクとアナルビーズで

調教しており、しかも虐めている自覚があるらしい。



母校の須九欄武瑠柄愚先生は、ある研究で権威らしいが

その研究ぶりは、人使いの荒さが評判で、

研究室に所属していた友人の悲痛な叫びを何度も聞いた。



同じく母校の歯胃須九鵜婁棄免愚味先生(仮名)は

ぬるい教師ばかりの学校内で珍しく『悪役』気取りの先生で

生徒の尻を叩いてばかりいたが、全て裏目に出ていた。



サンプルはそんなに多くはないが、

かなりの高確率で「教える立場」にある人達であり、

総じて融通が利かない。

もし身の回りにいたら、要チェックである。

それでも家に帰れば良いパパだったりするんだろうなぁ・・・。

以上報告終わり!
(俺は何を怯えているんだろう?)


7/30(水)



寮にカブトムシがいた。メスだった。

3日前くらいから、3件隣のドアの前にずっとたたずんでいる。

中の住民が部屋を出るときにうっかり踏んづけそうな位置である。

こないだはクワガタで今日はカブトムシ。

どこから飛んでくるのか知らないが、ほいほいと姿を見せるもんだ。

地元も相当な田舎だったと思うが、カブトムシやクワガタといった

希少性の高い昆虫はなかなか人前に姿を現したりしなかった。

都会の女の子は警戒心がないなぁ、と思ったりもする。

それでも懐かしさについつい声を・・・いや拾い上げてしまった。

何だか薄汚れた家出少女に声をかけたような気がした。

3日間、同じ場所から一歩も動かなかったのに、

拾い上げた途端必至に足をジタバタし逃れようとする。

しかも鋭い爪で手の皮を引っ掻かれて少し血がにじんだ。

寂しそうにしてたから声をかけたのにリアクションは

同情するなら金をくれ!かよ、この悪女が!と思いつつ、

それでも手の中で踊る懐かしい生命の躍動感にうっとり・・・。

犬や猫と触れあうことで心がリラックスすること医学的に証明されている現代、

俺のように昆虫でリラックスする人間もいるのだ。昆虫セラピーである。

我ながら危ない人だと思ったが、匂いを嗅いでみる・・・。

あぁっ!この匂い、たまんねー!!

小学校時代を思い出し、ついついお持ち帰りしたくなった。

でも自分はもう大人だし、今は自分のことで精一杯で

飼ってあげる余裕もないので、近くの樹の枝に放してやった。

こんな独身男ばかりの場所にいたら嫁に行き遅れるぞ、と。

そんなこっちの心情などまったく介せず、枝をつたってさっさと逃げてしまった。

飼う気はなかったが、幼少時代に培った情熱はまだ消えずにくすぶっているようで、

惜しいと言えば惜しい気がする。

夜中に人間の女の子に化けて来てくれないかな〜。

昔話なら鶴の恩返しで、漫画なら猫のパターン。

君が昆虫だって構わないさ!

夏の終わりに逝く運命を愛の力で乗り越えて、というのが本筋のストーリー。

でもカブトのメスが人間に化けたってあまり可愛くないような気もする。

やっぱり蝶でなくちゃだめかなぁ。


7/28(月)



独身寮、それは魔窟である。

ここ何週間か、コンビニやファミレスの店員さん以外に女性と口をきいてません。

じゃあここ何週間以前は誰かと話したのか、と訊ねられたら、

寮の管理人のおばさん。他にはいないとしか答えられない。

あまりの女日照りっぷりに、

ここが寮であることをついつい忘れて、

押し掛け女房でも来てくれないかしら、とか思ってしまう。

それがダメなら押し掛け妹でもいいから。

例えばこんな感じで。

仕事の帰り、寮の門の前でパンパンに膨らんだリュックを背負った

女の子がウロウロしていて、どこかで見た顔だと思ったら、

それはなんと長崎にいるはずの妹。

夏休みになったから遊びに来たという。

そっか巷の小学生はもう夏休みだもんな、と思いつつも、

何だか様子が変なので、実家に電話を入れようとすると、

空港で連絡したからかけなくてもいい、かけないで、絶対かけちゃダメ!

と止められる。

さて遊びに来たはいいが、宿はどうするのかと訊いたら、

宿泊費は無いので、しばらく寮に置いて欲しいとのこと。

独り暮らしの部屋というよりは、寄宿舎のような寮だし、どう考えても無理である。

ホテルでも取ってやろうかと思ったが、自分も給料日前の金欠でそうもいかない。

さてさて困った。

独り暮らしをしている知り合いの家にでも預けるか?

だがそんな知り合いはいない。

中国からの留学生・長さんは年長者なので、アパートに住んでいるが、

そこに預けたら、どうなるかわかったもんじゃない。

仕方ないので、他の寮生や管理人の目を盗んでの共同生活が始まった。

見つかったら即行で寮を追い出されること間違いない。

出勤の際は、見つからないように窓から出る。

一緒に行動できない昼間は怪しまれないように市立図書館を拠点にしろと言ってある。

帰りはショッピングモール7階のゲームセンターで待ち合わせ。

悪い人に絡まれないように、ギラギラの『ゲーセン』は避けて、

親子連れがよく来るUFOキャッチャーやエアホッケーがメインのゲームセンター。

寮に帰る前に、ファミレスで食事。

財布の中身は苦しいのに、全メニュー制覇に挑戦!とか無邪気に言う。

寮に帰ってからはゲームなんかをやったりするが、

ついつい声を出してしまうので黙らせるのに一苦労。

ロッカーに隠しておいたムフフ本が見つかり、2時間以上説教されたりする。

風呂は共同浴場なので、深夜4時頃の誰も来ない時間に入らせる。

それでも、いつ、誰が入りに来るのか解らないのが独身寮。

兄は浴場の前で健気に見張りをする。脱衣所に脱ぎ捨ててある下着にドキドキ。

そんな生活がしばらく続いて訪れた休日。

給料も出たし、どこか連れていってやると向かった先は空港。

どういうこと?と訊ねる妹に一言。

お父さんもお母さんも心配してるからもう帰れ。

そう、妹は家出していたのだったのだ。

夏休みに入ってすぐに、両親とケンカしてしまい、次の日から姿が見えなくなった。

両親は、友達の家にでも行っているのだろうと深刻には考えていなかったが、

心当たりの家に電話しても、まったく見つからない。

警察に捜索願を出そうかとしていたら、

まさか横浜の兄のところまで行っていたとは・・・。

片道分の航空券は、お年玉をはたいてギリギリだったそうだ。

絶対に帰らないと泣きじゃくる妹に

お父さんもお母さんも悪かったと言っているから、

となだめて無理矢理チケットを握らせる。

ううん・・・ケンカの事はもういいの・・・

もっと・・・ずっと・・・一緒にいたかっ・・・・

最後のほうは涙声でよく聞き取れなかった。

空の彼方に吸い込まれていく飛行機を見上げながら誰ともなしにひとり呟く。

お盆には帰ってやるか・・・。



というわけで8月13日から19日まで長崎に帰ります。

それが書きたいがためだけに、ここまで凝った妄想を書いた自分にカンパイ♪

大体が俺、妹なんていないじゃん。その前提を完全に無視し、

ありそうでベタでもあるシチュエーションを作る自分が怖い。

こんな僕とあの頃と変わらずに遊んでくれる方、連絡待ってます。


7/27(日)



ジーコ(自慰行)というニックネームをつけられて

その由来を他の人、上司や女子社員に聞かれやしないかと怯える毎日だが、

最近読んだ本には

『あだ名をつけられるのは個性があって覚えてもらえている証拠、むしろ喜べ』

と書かれてあった。

自分の人生を振り返ってみると、ニックネームをつけられた人には

それほど会ったことはないと気付く。

うとましく思ったときもあったが、それだけ個性的だったのだと思うと気楽になる。


中学時代はニックネームの宝物庫だった。

しかもそれは生徒ではない。先生のニックネームである。

中学時代といえば思春期まっただ中、

大人は解ってくれない等の鬱屈した感情が渦巻くが、

校風は厳しく、生徒はその感情の発散ができなかった。

あだ名という形になって終始吐き出されたのではないかと思われる。

だが、面白い傾向として、恐怖や反感の対象になっていた

ドメスティックバイオレンス教師たちには決してつかなかった。

そういった教師が担任の場合は、生徒の間でも「先生」と呼ばれて、

担任でないときは滅多に話題に出ることもない。

やはりニックネームがつくかどうかには「親しみやすさ」が先行するのだ。

その中でしっくり行くものだけが残された、ということだろう。


体育教師であり、中3の時の担任の60歳ぐらいの先生は「組長」と呼ばれていた。

当然クレヨンしんちゃんブームに乗っかったものである。

確かに肌は色黒で、色の入ったメガネをかけていたが、それほど似てるわけでもない。

多感で退屈な中学生達は、「組長先生」を求めていて、

その要素を幾つか持っていたこの体育教師にこじつけたという感じである。

副担任の先生まで「組長」と呼んでいた。

卒業式のクラス紹介でも

「組長こと○○先生率いる―――」

というアナウンスだった。

さらにはこの先生の本名がまったく思い出せない。


誰が呼び始めて、どういった由来なのか、

社会科担当で、中1の担任の先生は、陰で「ジライヤ」と呼ばれていた。

親しみを込めてのニックネームだったのだそうだが、

当人には絶対に聞かせられないと思う。

ジライヤに似ているからつけられたそうだが、

ジライヤにどこがどう似ていたのかまったく解らなかった。

俳優さんに似ていたのだろうか?それとも声だろうか?


さらにわからないのは「ちくわ」

その先生が本名が田中だったので、もじってどうのとか全然関係ない。

ちくわに似ている人間だったとも到底思えないが、

あるアングルから見たらそう見えたのかもしれない。

でもちくわって筒だしなぁ・・・。

100歩譲ってお好み焼きに似た人はいるとしても、

ちくわに似ている人なんかいるのかなぁ・・・。口が似ていたのかなぁ?


先程の「組長」と同じようにブームに乗っかった例として

「ウォーリー」という先生がいた。

あのタイムトラベラーを思いだして懐かしい人もいると思う。

痩せていてメガネをかけていた技術家庭の技術部門の担当の先生だった。

この先生は強烈で、まず寝ぐせが羽布名人のように凄い。

さらに息が臭くて無精ひげがだらしない。

さらには子供頃のケガのせいで右手の人差し指がない。

多感な中学生、指がないと聞くだけで、昔はヤクザ?という想像をしてしまう。

どうにもモテそうにないが、可愛い彼女がいたりして、写真を見た生徒を驚かせたりする。

この先生、自分は厳しいぞと公言するほど教育熱心だったが、別に嫌われてはいなかった。


ある日、男子ばかりの選択授業で課外授業を始めた。

黒板に栗の絵と、なんだか解らないしっぽの大きい動物の絵を描き、

その下に「○○と○○」と書いた。

お前達にこれがなんの事が解るか、穴埋めしろというのである。

自分は耳年増な中学生だったのですぐに解ったし、他にも解っていた生徒はいたと思うが、

教室の雰囲気としてはおそらく引いていた。

お前保健体育の教師と違うじゃん、というワケである。

保健体育の先生の時より生徒のノリは悪い。

なかなかはっきりとした解答が出ないまま数分が過ぎたが、

スケベで評判の生徒がついに答えてようやく進行しだした。

「そう、○○○○○とは女性器の一部なんですね・・・」

ウォーリー先生は大事なことを教えるのには上手い導入だ、

と思っていたのかもしれないが、異性の話題となるとすごく居心地が悪い課外授業だった。

やはり、中学生男子くらいなら

「先生!、やりすぎると薄くなるって聞いたんですが大丈夫ですか!?」

「大丈夫だ!どんどんしろ!」


といった怪獣島の決戦・自分の息子トークのほうがより盛り上がる。

このウォーリー先生は教育熱心だが、まだ若く、生徒の心を心底理解はしていなかった。

しかしそれも個性だろう。ニックネームをつけられる先生は、

教えることも様々だったし、厳しくもあったが、どこか不器用で親しみやすさがあった。

やはりニックネームをつけられる先生は教育界には必要だと思う。


7/26(土)



自分は非常に解りやすい人間だ。顔に出るのか態度に出るのか、

時折考えている事をピタリと言い当てられてしまったことも一度や二度ではない。

そのときの自分のリアクションは往々にして格好悪い。

できれば何を考えているか解らない、それでいていざというとき頼りになる

そんなミステリアスな男でありたい、と思うもの。

でも他人の自分を見る目とは思うように行かない。

レッテル貼られる云々より、ズバリ心理や思考を言い当てられることが多く

最近ようやく「自分は解りやすい人間である」という自覚がでてきた。


ただ自覚があることはしばし自分を追いつめさせる。


三つ子の魂百まで、もしかしたら昔からその徴候はあったのかもしれない。

あれは、中学時代の青い思い出。

生まれて初めてムフフ本を拾った時の事だった。

それは初恋と同じように誰もが経験することだろう。

学校からの帰り道に、雨に濡れては乾燥するを繰り返し、

カピカピになっているムフフ本が落ちていた。

一週間は同じ場所にあったと思う。

そこは健全な青少年、どうしてもそれを見たくて仕方がなかった。

風雨にさらされ、シワクチャになった誌面の上でも

その艶めかしい女性達は少しも色褪せることはなく、

中学時代の僕の胸をときめかせていた。

そんな彼女たちを家に連れて帰りたい。

両親に紹介し、公然と付き合いを認めてもらいたい。

そして両親に言いたい。

彼女が落ちていたムフフ本だからといって差別するのか!そんな事はまるで問題にならない!

むしろくっついていたページが破れないように読むという

苦労がある分、他のムフフ本より何倍も魅力的なんだ!

雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ、宮沢賢治の詩のように健気なムフフ本なんだ!

そして何より広い世界で初めて拾ったムフフ本、

その愛着はヒナ鳥のすり込みとまったく同じなんだ! と。


通っていた中学は、風紀が少し厳しくて、校内に持ち込む者は少なく、

流通などは行われていなかった。当然18歳未満なので、書店で買うわけにもいかなかった。

だからこの機会を逃したら一生ムフフ本を拾うことなどないかもしれない。

追いつめられた自分は、ある日、意を決してその本を通学カバンに詰め込んで、家に持ち帰った。

あれは本当に緊張した。回りに人がいないか何度も確認した。

誰にも悟らせないように前後の態度にも気を遣った。

ヘタに転んだりしてカバンの中身がこぼれないように車にも注意した。

お巡りさんと会いそうな道は通らなかったし、途中で買い食いもしなかった。

家に帰ってからは、テストの答案用紙や授業中に配られたプリントなどが雑多に挟まった

ファイルに挟んで机の奥に隠しておいた。

あの時の自分は本当に幸せだった。

幸福としてはあまりに公言できないデリケートな種類だがきっと幸せだった。

世界の中学生の中で一番幸せだった、そう思える。



翌日の下校時に、よく一緒に帰っている友人から言われた。

「あそこに落ちてたエロ本、お前拾ったろ?」

まさしくその通りだったからビックリした。

その友人の家は、ムフフ本が落ちている地点よりちょっと前であり、

学校からすぐの地点で別れてしまう。

拾った日も一緒に下校し、まず彼に見つからないように気をつけたのだ。

絶対に拾うところは見られてはいない。

彼がそのムフフ本の存在を知っていてもおかしくはないが、

二人の間で話題になったこともない。

無くなっていることに気が付くのが早すぎやしないか。

そして何故真っ先に俺を疑ったのか。

掃除の人や教育に悪いとのたまうお節介な大人や

犬や宇宙人が拾ったとは考えられないか。

その場はもちろん誤魔化したが、多分彼には確信があったと思う。

こいつに違いない、と。

それからである。自分しか知らないはずのこと、

予定や考えていることまでズバリ言い当てられるようになったのは。


え?そのムフフ本はどうしたのかって?

いろいろあったけど今はお互いガンバりましょ、てカンジ〜


7/25(金)



他のサイト様の日記を読んでいると、よく面白おかしく脚色された会社や上司の悪口が出てくるが、

自分の場合、心底追いつめられていると、会社の悪口とかを書けなくなる人間であることが判った。

しかも回りの上司・先輩がたは自分より遙かに頭がいいし隙がない。

自分は隙だらけでお金もらっている身分だし。

毎日ガチガチに緊張しながら仕事しているとだけ書いておこう。

当然ガチガチに緊張しながら生きるのはイヤだ。

ついついあり得ないのに会社に隕石落ちねーかな〜とか期待してしまう。

そして隕石の中から不思議少女があらわれて、

自分が地球で最初に出会った人間と言うだけでなつかれてしまって

狭い寮で自分だけは他の人にバレやしないかとビクビクと暮らすことになる。

その後、第2第3の隕石が落ちるたびに女の子が増えていって、

俺を取り合うとかそんな生活が送りたいなぁ!

そんなプレッシャーから逃げられる4連休2日目。天気 くもり。

いやー寝た寝た!!12時間近く寝た!

あまりに寝過ぎたためか首と左肩が痛い。

夕飯を食べた後、猛烈に眠気が襲ってきて、

寝るなー!眠ると死ぬぞー!と雪山で遭難したパーティーのように睡魔と格闘していたが、

午後8時、ついに睡魔に負けて寝てしまった。早いよ!小学生かよ!

思えば学校生活16年、イベントというイベントで主役になったことがない自分は

入院というものをしたことがない。怪我や病気は災難だろうが、

病院には看護婦さんという白衣の天使がいる。

毎日話しかけてくれたりしてきっと楽しいに違いない。

尿瓶にチ○コを入れてくれようとしたら

つい反応してしまって、まだ新米だったその看護婦さんはパニックになってしまうとか

そんな経験を一度でいいからしてみたい。

社会人になった以上、入院したいなどとは言ってられないが、

他の同期と離れて今の寮に残されたのは、

会社から単に時間にルーズなヤツだと思われたのかもしれない。

そして10年世界を旅して悟った。人間やっぱりウ○コは堅いほうがいいってな。


7/23(水)



勘違い、というのは誰にでもあるもの。

別に勘違いしていたからと言って、そのせいで誰かに迷惑をかけたとか、

大恥をかいた経験は無いことはないが、そんなには多くもない。

ただ、なんで気が付かなかったままだったのか不思議でならない勘違いがある。

おそらくは自分の人生においてさして重要でない、という思いこみから来ているのだと思う。

だが思いこみというのは時として恐ろしいもの。

もしかしたら自分の人生を左右するような何か大きな勘違いをしていて、

単にそれに気が付かないでいるだけなのでは、と時々恐ろしくなることがある。

屋内で帽子を被っているとハゲると思っていた。

コカ・コーラを飲むと胃が溶けると思っていた。

ミニ四駆を買ったときに普通付いてくるグリスはギアを溶かすと思っていた。

自分の人生はそんな勘違いの連続であった。



あれは何年か前の、ちょうど今と同じような季節だった。

家族で回転寿司を食べに行った日のことだった。

うちのような貧乏な家庭にとっては、回転寿司を食べに行くことが最高の贅沢であった。

でもそれで幸せだったのだ。

だが自分はそんなささやかな贅沢の度に、ちょっとだけ居心地の悪さを感じていた。

その時の自分の年齢はもう二十歳過ぎ。

中学の頃の同級生にはとっくに就職して自分の力で生活している人間もいる。

自分は今通っている学校での勉強に集中すればいいし、無事に卒業してそれから働けばいい。

そんなに肩身の狭い思いをすることもないが、やはりどこか申し訳ない気持ちがあった。

家計は苦しいし、いつ一杯のかけそば家族になってもおかしくない。

それなのに、両親は別に遠慮せずにどんどん食べろと言う。

弟どもは遠慮なしに牛カルビやトロなどをムシャムシャ食べていたが、

自分は200円、300円の皿といった高級な皿にはあまり手が出せないでいた。

でも腹は減っているし、安い皿を選んで食べていた。

弟1が今300円皿を食べているから、今自分が食べている100円皿で

相殺して1人当たり200円・・・とか変な計算までしてしまっていた。

所詮は100円皿、あまりおいしいネタはないが、ひとつ珍味な寿司があった。

半透明の白いネタに、包丁で切れ目が入れてあり、

ネタとシャリの間にしその葉が挟んであるという寿司。

ネタから察するにどうやらイカのようだ。

イカの寿司と聞いてまず想像できるイカとはちょっと違い、

ネタの厚さは薄くて、しその葉が味わいの大きなウェイトを占めている。

ネタだけが口の中に残ってしまいがちなイカを食べやすいように

工夫がした結果、この少し特殊な寿司となったちがいない。

しかも100円皿。100円皿でこんなに美味いイカが食べられるなんて!

審査員のマユゲも両方上がる味わいの絶妙なハーモニーだよ!

先程の述べた家族への遠慮から高い皿に手を出せなかった自分だったが、

これには安心して、立て続けに3皿も食べてしまった。

これはこの寿司屋の新メニューでもあるらしい。

そのことを書いた張り紙は、自分が他の席に座っていたら見落としてしまう位置にあった。

その張り紙をよく見ると、イカだと思って食べていたのが、

実はイカではなく、刺身こんにゃくであったことが判明。

これはかなりのショックだった。

イカと思って食べていたことは誰にも言ってなかったが、恥ずかしくなってしまった。

そしてこれはイカだ、と思ってしまった自分の思いこみの激しさにもちょっと怖くなった。


7/21(月)



朝夕の自転車通勤の途中で、たまに政治結社のみなさまを見かける。

自分の地元の市と横浜とでは共に軍港が近い、という共通点からか、

町中を黒いバスに日の丸が描いてあるバスが行き来していたり、

街頭でハチマキをしめた人がバスの上から演説していたりという光景が日常である。

自分の場合、そんなバスが大量に止まっている場所が部活のランニングコースの一部だったので、

もう見慣れてしまい、黒いバスそのものに恐怖はない。

ただ、その活動―――演説や巻かれるビラ―――には

『今こそ米の支配をうち砕き、誇り高き皇国を取り戻せ!』

『攻撃こそが最大の防御!許すまじ北の横暴!』

など、参政権の行使するときは選挙に行くくらいの

一般市民なら引いてしまうような、ちょっと過激な言葉が飛び交っている。

別に危険思想を擁護するわけないし、語るほどの知識もまったくないが、

彼らの思想や理念が、ともすれば現代人が忘れがちな愛国心や、

純粋な祖国の将来への憂いから来るものならば、ことさら批判するつもりはない。

日本国憲法と相容れないだけで、闇に沈んだ優れた政治の手法などあるかもしれない。知らんけど。

単に時代遅れだ、危険思想だと切り捨てるのではなく、

どのような思想で、どうしてそう思うのか。そしてそこから何か学べないか、

我ら単なる一般市民も考える時期に来ていると思う。

どうか結社のみなさまも、自分たちを異端な集団と見せかけて威圧するのを止め

一歩、歩み寄ってほしい。



結局何が言いたいかというと

「巨人の星」みたいな軍歌を流すのはよしとくれ!

びっくりするから!

どうせ流すならホントに「巨人の星」のテーマ曲を流せばいいのに。

そうすれば思わず口ずさんじゃってイメージも良くなる。

その真っ黒いバスも、ただ黒いだけじゃ、

思想云々以前に人を怖がらせてしまっていることに早く気がつこう。

そして木陰から弟を見守る星秋子のペイントとか、

ちゃぶ台返しをする星一徹のペイントを施して笑いをとろう!早急に!!

ミッキーのペイントが施してある飛行機が飛ぶくらいだからそんなに金はかからないだろう。

演説も大リーグボール養成ギプスをつけながらなら、必至さが伝わる。

もちろん木陰から見守ってるんですよ。赤い服の女性が。

21世紀になってますます不安定な国際情勢、

時代は生まれ変わったあんたらを求めてる!!