7/19(土)



暦の上ではもうすっかり夏である。

梅雨明けもまだで、全国的に涼しい日々が続いており、

今年に入ってまだセミの声は一回しか聞いていないし、

水泳の後なのだろう、濡れた髪はそのままのソックスを履いていない女生徒に

どうしようもなく込み上げるものがあるぜハニー!!という体験もしていないので、

まだそんなに実感もしてないが、やっぱり夏である。


寮にも明かりめがけてたくさんの虫が飛んでくるようになった。

ある日小型ではあるが、クワガタの成虫が寮の渡り廊下でひっくり返って足をバタつかせていた。

自分は動物愛護者、というよりはクワガタ愛護者なので

噛まれないように注意して外に放してやった。

数時間後、また同じ場所でクワガタが足をバタつかせていた。

どうやら種類といい大きさといい先程と同一のクワガタのようだ。

成虫のクワガタがそうそういるものではない。

またかよしょうがねーな、ともう一回助けて外に放してやった。

またひっくり返っていたらどうしようもないバカクワガタとして日記のネタになるな、と期待。

でもそこまでバカでもないらしく、もう見かけなかった。その日は。

次の日の朝、朝食を食べに食堂に行こうとしていたら

また廊下にソイツがいた。今度はひっくり返っておらず、

今日はひっくり返っていないぜ、となんだか偉そうだった。

あれなんでクワガタの話になったのかな?

そう、夏だなぁという話。

人間は環境がまったく違っていても、肌で感じる気温や湿気で

今の季節はこんな事をしていた、と記憶の扉が開いたり、

何かをしたいという衝動が沸き上がるものだ。

自分の場合、半袖のシャツで生ぬるい風にふかれて夜道を歩いたりしていると、

無性に花火がやりたくなる。

ただ自分の場合は普通の小学生らしい楽しみ方はしていない。

まずロケット花火やねずみ花火やヘビ花火といったイロモノ花火が大好きだ。

ロケット花火でガンダムゴッコ、♪思いこんだら〜ひとつにかける〜 

とネズミ花火を銭形平次ばりに投げ、ヘビ花火をウ○コ花火だ!と大騒ぎ。本当に面白い。

しかし普通の手持ち花火もそれなりに好きだ。

自分が小学生の頃には、もう花火の技術も成熟期に入っていたようで、

青に緑に赤にと色彩鮮やか、火力はちょっとしたバーナーくらいある。

それを普通に楽しめばいいのに、ひねくれ者だった俺は

砂山を作って、その中にバチバチと火を噴いている花火を突っ込んで

「花火の蒸し焼き〜〜♪」

などといって楽しんでいたものだ。

しかも一回だけならともかく延々とやるから始末が悪い。

砂山がピカー!と中から光って、煙が中からもうもうと出て楽しいんだって!

あとは意味もなくコンクリートの壁を花火で延々とあぶったりとか。

(絶対マネしてはいけません)

真っ赤になって溶けることを期待していた。

おそらくテレビで初めて見た溶接工という職業にバリバリ影響されていたのだと思う。

だがどんなにあぶっても白くなるばかりで、なかなか溶ける気配がなかった。

もう飽きかけた5本目くらいだろうか。

突然あぶっていた箇所からパン!と音がしてこれにはびっくりした。

小さな破片が飛んできたのか、ほんの少し火傷もしたが、

回りの大人も気が付かなかったようで、自分も知らない顔をしていた。

翌朝見てみると、その箇所がくり抜かれたみたいに欠けていた。

その破片が直撃していたら・・・想像すると怖くなった。

それ以来花火で危ないことはあまりやらないようになったが、

今でも、あの時の火薬のにおいを思い出し、気分が高揚する。

いつものごとくクレイジーな花火はどうだろう?と考えたが

パンという炸裂音の代わりにマリオが1UPする音の花火とか、

そんなのばかりであんまりいいのは思いつかなかった。

ひとつよさげだな、と思ったのは、煙にフェロモンが仕掛けてあり、

それを吸った彼女に、友達と思っていた彼がなんだかいつもと違う感じ・・・

これって恋!?と思わせ、夏の夜を狂おしくしてくれるエロい花火。どうだろう?





追伸:7/14の日記を更新した後、バトルフィーバーJというのは知らないの?というメールを何通かもらった。
そのバトルフィーバーJというのがまさしく多国籍の戦隊なのだそうだ。
先を越されていたというのは本当に悔しい。これで版権でガッポリ儲ける計画が・・・・。
あ〜!!もう、なんでこう何もかも上手くいかないんだよ!せっかくなので、手をつけずに残しておきます。
掲示板で袋叩きにされても仕方ないのに、管理人が恥ずかしい思いをしないように わざわざメールでご指摘くださった方々、ありがとう。

7/17(木)



闘病生活 その1



風邪でうんうん唸っていた先週の土曜日。

管理人室に薬をもらいにいったら、おばさんがすぐに薬を出してくれるとともに、

普通のご飯は食べられないでしょうから夕飯におかゆを作ってあげる、と言ってくれた。

世間は冷たい、とよく言うが、心底弱っている時に手をさしのべてくれる人は必ずいるものだ。

思いがけず人の温かさに触れ、じーんときた瞬間だった。

7時頃に部屋に持ってきてあげるから待ってなさい、と。

管理人室まで行くのも難儀だった自分を部屋で出迎えたのは

部屋の真ん中に居座った中国からの留学生・長さんがくれた22冊の使えないムフフ本である。

まだ持ってたのかよ、と言われそうだが、なんだか捨てるのも悪い気がして。

本当ですよ。ムフフ本ならなんでももっておくとかそんなんじゃないですよ。

しかし、管理人さんが部屋に来るとなるとヤバイ!

こんなのを持っているのを知られるわけにはいかない!

隠さなきゃ、いや思い切って捨ててしまおう!

SM本ってなんだか縛れている女性の怨念がこもっていそうな気がするし。

この体調不良も、もしかしたらSM本の怨念による霊障かもしれない。

風邪引いてると22冊でも倍重いように感じる。

フラフラしながらゴミ捨て場にムフフ本を抱えて捨ててきた。

そして午後7時ちょっと過ぎ、管理人のおばさんが部屋におかゆを持ってきてくれた。

が、部屋の中までは入ってこなかった。

玄関先で盆に載った食事を渡すとすぐ帰ってしまった・・・・。

こちとら部屋の中でちょっとした世間話をする覚悟くらいしていたのに。

そう、もらったムフフ本を捨ててまで。

いや、むしろ話をしたかったのはこっちのほう。寂しかったし・・・・。

少ーし寂しい思いをしながらも、おかゆを食べて少し元気になった。



次の日、ゴミ捨て場を見てみたら、22冊のムフフ本がすべてなくなっているではないか!

業者の回収にはまだ早い。となると寮内の誰かが拾ったのか!?あの使えないのを!?

寮には自分を上回る変態がいる事実だけが残った。





闘病生活 その2



まだ体調が戻らず苦しんでいた日曜日の朝だったと思われる。

突然電話が鳴りだした。もしかしたら管理人さんからかも、と思って出てみると


「あ、もしもし。私、NTTのN田と申しますが」


という若い男の声。NTTが何の用だろう?

寮にいるから電話代の請求なら個人には来ないはずだが。


「ダンロップや日産がスポンサーのテニスやボーリングなんかのイベントのスタッフをしているのですが―――」


これはもしや・・・


「今日はこれからお時間ありますよね?」


またかよ!!

マルチ商法か宗教の勧誘かは判らないが、寮にはこんな電話がよくかかってくる。

以前実家で遭遇した手口に恐ろしいほど似ている。

どう聞いてもまともな類の勧誘ではない。なんとしてでも逃げ延びなければと思って


「いえ・・・今日はこれから仕事です」


と返すと


「あ、休日出勤?会社終わるのは何時頃?」


と普通なら引き下がりそうな休日出勤を持ち出しても

引き下がる気配がない強引なところ村○リサとまったく同じである。

まだ風邪も完治しておらず、会話するのも難儀だったので、


「本当にNTTさん?」


と訊いてみた。すると


「いえ、NGTの者ですが。NTTではないですよ」


開口一番にNTTって言っただろ!絶対!!

いくら朝でもGとTを聞き間違えるか!!絶対詐欺だ!インチキ勧誘だ!!

疑念が確信に変わった以上、もう付き合ってられるか!

相手は何か喋っていたが、体力も限界に来ていたので

ここで受話器をがちゃんと置いた。

この日は病気だったので逃げ出したが、次にかかってきたら徹底的に交戦してやる。

みてろよ独身生活の平和を脅かす悪の組織・NGTめ!


7/14(月)



ぱらぱらとめくっていた雑誌で今年の夏の映画をチェックしていたら、

テレビ朝日で好評放送中の『仮面ライダー555』の映画があるという記事があった。

同時上映はやはりテレビ朝日系列でちびっ子に人気の『爆竜戦隊アバレンジャー』。

恐竜が生き残っていて、しかも超進化を遂げていた。そんな恐竜を越えた

「爆竜」の力を持ったヒーロー、それが「アバレンジャー」なのだそうだ。

このアバレンジャーに対して一つ言いたい事がある。

アバレンジャーという名称が「暴れ+レンジャー」のダジャレなのは面白いからむしろいい。

若かりしころのケイン・コスギがブラック役で出演していた

『忍者戦隊カクレンジャー』も、「隠れ+レンジャー」で面白かったし。

言いたい事というのは、

恐竜という設定は以前の5人戦隊で一回使った設定でしょ?ということ。

『恐竜戦隊ジュウレンジャー』というのが昔あったはず。

5人戦隊の設定やモチーフには、シリーズによっては縛りがある場合があって

それは野生動物だったり、鳥だったり、幻獣だったり、忍者だったりする。

そんなに詳しくはないので全部は知らないが。


毎年新しい戦隊を考える度に凝った設定をひねり出すのはもう疲れた!

それに5人戦隊シリーズが子供向けだし、子供に昔使った設定だなんてわかりゃしないよ!

という制作サイドの言い分も解るが、往年の特撮好きとしてはあくまでこだわり続けて欲しかった!



そこで自分は考えた。新しい5人戦隊の設定を。

ハガキを送って権利関係で大儲けしようと思ってますから、

これを読んだ読者の方、パクんないでくださいよ!

で、その設定だが、という縛りはどうだろう?

ほとんどの戦隊で、メンバーは日本人だったが、

この5人戦隊は、メンバーの国籍がそれぞれ違う。

悪との戦いを話の本筋としながら、メンバー内で誤解とすれ違いを繰り返しながらも

お互いの国の文化を理解していくことをメインテーマに据えた

そんな21世紀グローバル型5人戦隊。

そんなメンバーの色とお国はというと、



レッド:
平成のご時世に腰に大刀を携えて、正義のために悪を断つサムライ。
何かミスする度にやたら切腹したがる時代錯誤な暑苦しい日本人。


ブルー:
中国は香港出身の拳法の達人。
本名はブルー・スリー(パクリなうえにこじつけかよ!)


グリーン:
米国特殊部隊・グリーンベレーを追放されたアメリカン。
いつも股間に葉っぱ一枚の格好で基地内をウロウロ。


イエロー:
カレー好き=イエローという戦隊の王道を正当に継承したインド人。
ヨガの力で火を吐いたり、瞬間移動ができる。


ホワイト:
メンバー内の紅一点で、敵からも味方からも「氷のような女」と恐れられている笑わない女の子。
それもそのはず、出身は一年中雪に覆われているロシアの田舎町。





タイトルも勘のいい人なら、いや決して良くない人でも見当がつくと思う。

その名も、

『多国籍戦隊コクレンジャー』

「国連+レンジャー」ね。ベタなダジャレも入ってて子供心をガッチリキャッチ!

とどめのバズーカとかロボットとか万国旗が敵を貫いてもうスゴイの!

地理の勉強になる、子供が世界平和に興味を持った、とお母様サイドにも大評判!

これはいける!この企画をテレビ朝日に送りつければ来年には版権で大儲けだ!



他にもお魚を設定にした『水族戦隊ギョレンジャー』なら

レッドがタイで、ブルーがカジキで、ピンクがサクラエビだな!とか

寿司ネタを設定にした、『鳳戦隊スシレンジャー』なら

レッドがマグロで、イエローがウニで、ホワイトがイカで、ピンクがガリだな!

とか思考がどんどん変な方向に行ってしまって止まらなーい!


昨日まで落ち込みはどこへやら、元気なった途端変な事ばっかり考えてます。


7/13(日)



どーもお久しぶり!ここ3日間ばかり風邪引いて寝込んでました〜!

高熱が出て、何も食べられずに衰弱しきってましたよ。

あーもう本気で死ぬかと思った。

単に熱が出るなら、まだ情状酌量の余地はあるが、

どうして下痢ピー&ゲロまで誘発というちょっとカッコ悪い要素が入ってくるのかな?

眠りに入ろうとしても、苦しさですぐに眼が醒めることを何回も繰り返し、

朦朧とした意識の中で気が付いた。自分は病弱なんだと。

5qマラソンならクラスで5番くらいのペースで走れても、

20sの荷物を背負って海抜0mから2000m級の山を踏破できても(ピン来るかな?)

それと病弱な体質なのとは関係ないということに気が付いた。

むしろ中途半端に体力があるから、たまに病気をしたときに

死にそうなくらい衰弱するんじゃないのかと。


ここからはちょっと弱気な発言だけど、病床でいろいろ考えた結果、

仕事しながら日記を毎日更新するのは到底無理、という結論に達した。

学生時代と違って、1日をどうしても仕事中心に回さなければならないし、

好きでやっているはずのサイトの更新も負担になってくる。

仕事の愚痴はここにあまり持ち込みたくないが、実はかなりキツイの。

今回のように三途のリバーを渡る一歩手前なんて自体になったのも

他人はこんなに頑張っている、今の自分はダメだからもっと努力しなくては、と

自分に対してプレッシャーをかけすぎていたことが心身の負担になっていたのではと思う。

仕事も趣味も、自分は中途半端だと思って続けていけば、

他の人は知らないが、自分の体は壊れます、

ガンダムにはできても、ザクで大気圏突入は無理です!と悟った。


自分の弱さや脆さや限界が分かったので、

これからはあまり無理はせずに、不定期更新とします

面白い出来事があったとき、または思いついたときに

それを気まぐれに書き綴るというweb日記の基本に立ち返ろうと。

毎日見てくれていた方、ありがとう。

これからは気まぐれに見てやってください。


7/9(水)



今もそれほど変わっていないが、

子供の頃の自分は病的なほど泣き虫で臆病で恐がりな子供だった。

クラスのガキ大将や近所のすぐ怒るおじさんが怖い。

刑事ドラマで人が刺されたり、時代劇で人が斬られて血を見るのが怖い。

北斗の拳や聖闘士星矢や筋肉マンが怖い。(痛そうだから)


そんな中で、布団の中に逃げ込んで大声で泣き出すほど怖いものがあった。

それは夕飯時に、たまに外から聞こえてくるラーメン屋台の音

俗にか正式にかチャルメラと呼ばれる

『ちゃらり〜らら ちゃらりらりら〜』

のあの曲である。音階ならば

♪ドレミ〜レド ドレミレドレ〜 のあのチャルメラ。


ラーメンというメニュー自体が嫌いなわけでもない。

むしろラーメン大好き小池さん。

しかしラーメン屋台独特の「あの音」が聞こえて来た途端、

火のついたように泣き始め、この世の終わりが来たかというほど怯えていた。

もう20年近く前だが、今でも怖がっていたという感覚を鮮烈に覚えている。

何が怖いか何故怖いのかはわからない。

しかし、屋台というものが何かを理解し始め、

何が怖いか何故怖いのかを自分に問うてみたら

皆目検討がつかなかった。ラーメン屋の屋台に怖がる要素は何もないので当然である。

そして子供心にチャルメラは怖いものではない、という結論に達し

いつしか怖がらなくなり、その屋台もうちの近所には来なくなった。



ただ、怖がっていた理由は知りたいとずっと思っていた。

そして20歳も越えてある日、というよりも、おそらくつい最近。

夕食時に両親に訊いてみたことがある。

自分は子供の頃、チャルメラの音が怖かったが、それが怖かった理由がわからない、と。

すると両親は昔を思い出しながらこう答えた。


「お父さんがね、あれはオバケが来た音 だと
子供のあんたに言ったんじゃなかったかな」



親父かよ!!無垢な俺を怖がらせていたのは!!

親父としては冗談半分だったらしいが、その冗談半分を子供の俺は真に受けてしまったらしい。

開いた口がふさがらなかった。

俺も幼かったが、父も母も負けず劣らず若かった。

長男である俺は、若葉マークな両親の失敗をまともに受けながら育っていたのである。

自分に将来、子供ができても絶対に

試してやろう、と思う。


7/7(月)



今日は七夕、一年に一度織姫と彦星が出会うロマンチックな夜。

昨年と同じく、笹を見かけたら有無を言わさず短冊をぶら下げるつもりだったが、

どこにも見あたらなかったので、今年はぶら下げることができなかった。

ちょっと残念だが、こんな年もあるさ。

いつも欲しがってばかりの欲張りな自分だから、今年は心の短冊に


みんなの願いがかないますように
って祈ろう


祈ってますんで余裕のある方は
「でんでろさんにも彼女ができますように」って書いててください。



7/6(日)



みなとみらい21に遊びに行ってきました〜♪

しかも1人で!みなとみらいに1人でかよ!

というご指摘はもってもだが、近くに親しい友達もいないし

失恋の直後ということで、傷心旅行ということで。

(失恋の後は何をやっても傷心で許されるね)

朝起きたのがほぼ正午。気が滅入っていて、どこにもでかけず

部屋でグズグズ泣いていたかったが、日曜は寮の食事も出ないし、

腹も減るし、こんなんじゃダメだ!とにかくどこかに出かけようと思い立つ。

さてどこに行こうかと思案した結果、らしくないなとは思ったが、

新しい出会いを求めて若者の街、桜木町へ行こう!と決意。

ソフトクリームを持った女の子と曲がり角でぶつかって、

俺のシャツにべったり、顔を真っ赤にして謝るその子と

怒ったりはしてないが、シャツは汚れているし、

どうしていいか分からなくて混乱する俺。

それから始まるラブロマンス・・・・。

なんてことも多いにありえる!というあわい期待も抱いて寮を出発。

桜木町までいくらかなと料金表を見てみたら

電車賃はたった160円だった。こんなに近かったとは・・・。

今住んでいる寮なんて、6月のうちからカブトムシが飛んでくるほどなのに、

そこからたった160円で大都会ですよ。都会とは不思議なものだ。

横浜で乗り換えて、桜木町にあっという間に着く。

駅に降り立つとそこはアベックだらけだった。

うわ・・・こいつは選択を間違えたな・・・

と腰が引けたが、まあ来てしまったからには楽しんで帰ろうと

決意し、まず腹ごしらえとして駅の近くをウロウロする。

何を間違えたか、お色気おねーちゃんがいっぱいカモンカモンしている店

が並んでいる界隈に迷い込んでしまい、慌てて逃げ出し、

こぢんまりしたラーメン屋に入る。

そこで注文した味噌チャーシュー麺、チューシューの縁がなんだか真っ赤。

合成着色料で染めたみたいに真っ赤なのである。

チャーシューの作り方って、肉を塊のまま火を通すというくらいしかしらないが、

その行程で食紅をがんがん放り込んだようなそんな紅。

店のお勧めメニュー
・サンマーメン
・四川麺
食品添加物は一切使っておりません。

と表記がしてあり、その辺に気を遣っている店なら、

このチャーシューの縁が赤さはなんだろう?なんだか喉を通りにくかった。

あとメニューによっては辛さが3種類あるらしいが、

弱辛い、中辛い、激辛い

と表記してある。『い』はいらないよ!それに『弱辛い』って何!?

あと頼んだ味噌チャーシュー麺、メニューには750円と書いてあったが、

伝票には850円と書いてあった。たかが100円というより

向こうのミスの指摘とはいえ、店の人にイヤな思いをさせたくない

というくらい精神的に疲れていたので、知らないフリして850円を支払う。

これで後々いいことがありそうな気がする。


その後はみなとみらい21に行ってみる。

よく知らないのだが、どこからどこまでがみなとみらい21なのだろう?

この日は即決だったため、まったく下調べはしてこなかった。

まず人の流れに乗って、ワールドポーターズというショッピングモールに行ってみる。

世界各国の雑貨やレストランや映画館なんてのもある。

ますます1人で来る場所じゃない。頭から指の先までどっぷりデートスポットだ。

それでなかったら若い親子連れとか。

特に買いたい物があったわけではないが、

クリスチャン・ラッセン/平凡&陳淑芬の展覧会があっているらしいので6階に行ってみる。

たまにCMとかで告知を見かけるヤツで名前くらいは知っている。

クリスチャン・ラッセンは、

リアルな海底とそこを泳ぐイルカを得意とするジグソーパズル専門の絵描き!

平凡&陳淑芬は繊細な美人画を描く人!程度の認識だが。

絵なんか俺に解るのかよ、と自分でも思ったが、

みなとみらいに来ようと思った時点で、すでにいつもの自分から逸脱しているのだし

普段見ないものは片っ端から見てやろうと。

その会場に行ってみて、中に入ろうしたら、係のおばさんが

ほらなんだっけ住所とか名前とか電話番号を書くヤツ、

そう、生命保険の受取人をご記入してくださいと頼むので、

ウソの住所と名前と電話番号を書いてやりました。都会は注意しないとね。

その紙に、好きな絵描きに○をつけてくださいという項目があり、

ほとんど知らないアーティストが並んでいる中、天野義孝があったので

好きというより、知っているという意味で○をつけたら、係のおばばに

「天野もそこに飾ってありますよ」

と紹介される。

そのおばばに部屋に飾るならどんなのがよろしいですか、と終始付きまとわれて参った。

さらにこのおばば、一度黒いカーテンの裏のスタッフルームと思しきところに

引っ込んだかとおもうと、天野義孝の初期の作品を持ってきて

会場の真ん中に用意してあったテーブルに乗せ、スポットライトまで照らして

どうぞご覧くださいときた。俺のために。

どうみても金のなさそうな格好しているのに、どうやら売りつけようとしてるようだ。

「天野の絵は風景画というよりは、絵の世界観を楽しむのが・・・・」

という解説まで始められ、困ってしまった。

そりゃFFも一通りやってるし、Dシリーズも一通り読んだから、

種類だけならあんたより知ってるよ、と言いたかったが言ったらますます売りつけられそう。

客が増えた隙を見てあわてて逃げ出す。

メインを張ってるクリスチャン・ラッセン/平凡&陳淑芬をじっくり見たかったよ・・・。

今度来るときにはキャッツカードを投げ込んでから行ってやろう。

ワールドポーターズを出た後は、大さん橋埠頭に行って

そこで開催されていた横浜ハワイアンフェスタというコンサートイベントを見て、

その後は、ランドマークタワーの回りをでかいなぁと思いながら一周して帰ってきた。

買い物はあまりしなかった、というのも、

1人の男がデートスポットでどう金を使えばいいのかがよく分からなかったし。

この日のおみやげはおばばからもらった陳淑芬のポスター。

帰ってから部屋に飾ったら、殺風景な部屋が少し華やかになった。

ただお客が来たら、お前どうしたんだと反応には苦しむだろう。


横浜に住むようになって3ヶ月、ようやくみなとみらい21に行ったが

とにかくオサレな街だった。風呂敷をしょった田舎モノは圧倒される。

近くに来たら是非見に行ってみたがいいが、オサレな場所なんてガラじゃないな、

と足が向かない人は、ここは現代ではなく未来都市だと思いこめば結構楽しめる。

みらい、とつくだけに。

ただあそこは出会いたい人が行くんじゃなく、出会った人が行く場所である。

絶対にカップルで行くことをお勧めするが、男ひとりで行ってみたいという人がいたら

ご案内します。その際僕に女装する事をお許しください。


7/5(土)



昨日は会社から、正式に社員として認められる(これまでは研修員という扱いだった)

という式があって、久々に2003年度の新人が一同に介したため、

式が終わった後、15人くらいで飲みに行った。

相も変わらず笑いの沸点が低い、ある意味ピュアな同期相手に

自分の果てることなき妄想トークを繰り広げていた。

もちろんO嬢についての妄想ストーキング。

耳たぶ噛みたい、スクール水着着せたい、ネバーランドから来た、

学校指定シューズを履いてほしい、カラオケで歌って欲しい曲は

ためらいがちな今井美樹の「プライド」・・・

すでにO嬢との一方的な関係は同期の間ではバレバレだったので

行くとこまでいった。妄想の中で。


そんな中、同期の女の子に衝撃的な事実を聞いたのだった。



「Oさんには彼氏いるらしいよ」



終わった・・・・

自分の中で決定的な何かが終わった気がしていた。

「こないだ仲良くなって、彼氏いるんですか?って聞いてみたら、いるって」

いっそ知らないままでいたかった・・・・。

でも知らないままでどうする・・・・。


その時自分はどんな顔をしていたのだろう。

今の情けない俺を505iで撮ったりするんじゃねー(泣)!!

この1年3ヶ月はなんだったのか・・・・。

そしてこれから何を目的に仕事を、いや人生を続けていけばいいのか・・・。

しきりに励まされ、慰められた。

ところが励ましや慰めが人によっててんでバラバラ。


「あれだか可愛いんだから彼氏くらいいるのはむしろ当然、
 むしろ人に好かれる素晴らしい人格ということにならないか」
「あきらめるな!奪い取ってやれ!」
「まだ結婚しているわけでもなんでもない!」
「そう!キャンセル待ちということで!」



といったあきらめるな派


「次の恋に目を向けろ!」
「お前には勇気がない!きっかけを待ってるだけじゃなんにもならん!!」



という人間革命派


「結果がどうあれ気持ちを伝えろ、すっきりするし、いい経験になるから」



という無責任な玉砕しろ派


「世の中お金ヨ、金あればオンナいっぱい寄ってクルヨ」


殺伐とした世の中お金派・by長さん


このバラバラぶりに、お前ら真の恋愛経験からは言ってないな、

というのがバレバレだった。

自分に直接手をくだした子が、お開き間近で言った


「彼氏の話はあんまりしたくなさそうだった。上手くいってないのかも」
「2003年の同期の中ではジーコくんが面白い人だって言っておいたから」


という二言がどうしようもなく引っかかっている。

どちらも脈あり、というわけでもないのに都合のいい妄想を膨らます自分が情けない。

いっそ嘘でもいいからとどめを差して欲しいのに・・・。


この後の帰宅は自転車でした。
買うんじゃなかったよ自転車なんて・・・

7/3(木)



仕事の合間に、交通安全講習会があった。

自転車通勤のため、所属する課から代表者として出席させられた。

内容は、警察署の交通課の人が来て、県内でどれくらいの件数の事故が発生しているか、

どのような種類の事故が多いか、会社の近所で気を付ける場所はどこかというお話が前半。

講習会の後半は、『危険予測と事故防止』という、

例えば路肩に停まっているトラックの近くを通り過ぎるとき、

車の前から人が飛び出してくるかもしれませんので注意しましょう。

といった内容のビデオを見た。おそらく10年近く前のビデオなのだろうが、

ちょっと注意して見てみると、このビデオ、ものすごーく本物志向なのだ。

どこがというと、運転手がヒヤリとさせられるシーンの例が。

自動車学校や免許の更新の時に見たビデオなら

「危ない!」というナレーション+キキーッ!ガシャーンという効果音+画面の一時停止で

危険を表現し、運転席からの視点でスピードと距離感は分からなくしている、

そんなシーンばかりだったが、

今日見たビデオは手抜きや特殊効果一切抜きで本当に危険なシーンを再現していた。

おそらく運転手に超一流のドライバーを雇って撮影したに違いない。

高速で走る車が、飛び出した歩行者に驚いてあわや数10pの距離で急停車とか

前に停まっているトラックのドアが急に開き、中から人が飛び出し急停車とか

交差点を左折しようとしたら、後ろのバイクが走ってきて危うく接触事故等々。

しかもカメラの視点は車を見下ろせる少し高いところで、スピードも十分出ていていることがわかり

間違いなく危険なシーンを再現していることがわかる。

おいおい!教育ビデオにしてはやりすぎなんじゃねーの?というくらい凝っている。

これぞ体当たり演技というヤツだ、と思った。

見ている側も本気でヒヤッとさせられるほどの映像だった。

このビデオの監督は、よほどの本物志向に違いない。

交通事故の恐ろしさは耳にタコができるほど聞かされるが、

一度危ない目にあい、頭より体で実感しないとなかなか分からないもの。

このビデオは、作り手の目論見通り事故抑制の効果は抜群というしかない。

ただ、ひとつ気になる点がある。

これって撮影中にNGはなかったの?

一歩間違えば歩行者役やバイクの運転手役は間違いなく轢かれているくらいOKシーンでも危ないが、

一歩間違えなかったかどうかが分からない。

時折、画面端の道路に「真っ赤な何か」が見えたような気がしたのはおそらく錯覚だ。

ちゃんと洗い流しているに違いない。

しかし生命保険の申込用紙に拇印を押している人の姿は心霊映像として映り込んでいた!!

マジで!!


7/2(水)



今朝、またフル○ン男を目撃。

いきなりこんな書き出しで始まる日記はどうだろう?

書くことないときは目撃した事にしてるんじゃないの?

と思われてしまうかも知れないが、目撃したことは本当。

雨降りなど、自転車で会社に行けない日は毎回目撃しているのである。

今日で3回目だが向こうもパンツを履くつもりは一切ないようだ。


これはもうシリーズ化して、見る度に逐一報告するしかないかと。

今朝は鉄アレイを持ってヒンズースクワットをなさっていた。

さすがに堂々とフル○ンでベランダに立っていたりはしないし、

今日などは窓に背を向けて筋トレをなさっていたが、

一糸纏わぬ姿なのは視力のいい自分にとって一目瞭然である。

例え同性でも、自分のぬうどを人には見られたくない気持ちは痛いほどわかるので、

あえてじろじろ見たりはしないし、

向こうも、見たがる人もいないだろうからとパンツを履かないのだろうが、

こちとら普通の人間ではない。

なんだか前まで見ないと損したような妙な気分になる。

例えるなら東京へ旅行へ行って東京タワーを見ないで帰るような・・・。

歩いてくる自分の姿を認めた瞬間、すっと背を向けられたりすると

おい!そのままでいろよ!という気分になる。

そして毎日彼の全裸のことばかり考える・・・・。

もしかしたらこれは恋の芽生えかもしれない、なんてコトも考える。

事実、精神的に彼の全裸は心の支えになっている。

今日も仕事はつらかったが、ひとつだけ面白いことがあった。

それだけで、明日も頑張っていけそうな気がする。

このまま、彼が毎朝全裸であることをみんなで祈ろう。

きっとつづく・・・