でんでろの奇妙な冒険
第一章 告白




一部 決別

「でんでろのクセに生意気なんだよ!」
その一言ともに繰り出された拳が俺の前歯も、心も打ち砕いた
「でんでろのくせにO嬢に告白するなんて100年はやいんだYOー」
会社の先輩、通称ジャイア○と通称スネ○の二人に呼び出された
とある仕事おわりのことだった。

 O嬢との出会い、それは3ヶ月ほど前のことだった…

「ウラア!デンデロォ!!テメエ、これ、ダイエットコーラじゃねえか、俺は
俺はコーラをたのんだんだぜぇ?」
でん「ヒギィイィィィィ!!」
新しく入社した会社では俺はいびりという数々の苦行をうけていた…
でん「やめて、やめて、それ以上殴ったら、殴ったら、惚れちゃう、アナタに
惚れちゃうのー!」
もう、限界だった、肉体的にも精神的にも…そのときのことだった

O嬢「テメエの血は何色だぁぁぁ!?」

閃く閃光とともに、俺に蹴りをいれていた先輩の両手が地におちた。

でん「こ、これは、髪の毛…まさか
死髪舞剣(ダンスマカブヘアー)!
   己の長髪を手足のように使い、剣を髪で自由自在に操り、両手で
   剣を振るうよりも遥かに速いスピードで、並みの剣技を軽く上回るという!」
O嬢「ブラボー!よく知っている。さあ、立ち上がれ、君も私とともに行くのだ」
でん「は、はぃ!師父と、師父と呼ばせて下さい!
O嬢「ふっ…朋友でいい」
でん「ぽ、ポンヨゥー!!」

それがO嬢との出会い、そして私が彼女の厳しい特訓を受けながら
心引かれるまでそう時間はかからなかった、そんなある日のこと

ジャイ「よー、でんでろ。お前、最近、O嬢と親しいそうじゃねえか?」
でん「そ、それがどうかした?」
スネ「お前、馬鹿だなあ、O嬢には彼氏がいるってのに」
でん「か、彼氏だとぉ!
その言葉は俺の心を砕くには十分だった
ジャイ「それでしばらくO嬢は貴様には会えないとよ、彼氏なんからの伝言
    だ、ったく、俺らのボス、の女を取ろうたあなあ、デンデロのくせに…」



殴られ、蹴られながら考えていた
あのとき、拳に乗った彼女の気持ちが俺の水月の奥深くにまで届いたのは
幻だったんだろうか… たしかに私の心を乗せた拳は反らされてばかりだった
けれど、変わりに彼女からラブの詰まったクロスカウンターをもっらたのに…



こんなに

こんなに苦しいのなら


こんなに悲しいのなら


俺は


俺は


俺は愛などいらぬ!!






第二部 朋友(ポンヨウ)


刹那、体が動いていた。O嬢とのつらい修行で覚えた動き。
O嬢に隠れて覚えた奥技

でん「ファイナルベント!!
スネ「あ、あれはアドベントカード!」
でん「食らえ、愛と、怒りと、悲しみと!
   シャァイニング フィンガー!!」


ジャイア○の体はおおきく吹き飛び壁面へとぶつけられていた

でん「やったか?」
   しかし、その視線の先には、何事もないかのごとく立ち上がるジャイア○
   の姿があった
でん「む、無傷…
ジャイ「なかなかやる…ならば、俺タチも全力をつくそう…いくぞスネ○!」
スネ「おう!」

言うが早いかでんでろを両側から囲むジャイ&スネ
囲まれたら死、とっさに判断し転進、回避をする。頬からは鮮血が散った

でん「こ、これは…」
スネ「よく交わしたな、我らが
二神風雷拳!

二人の間に張られたのはピアノ線のごとき細く鋭い無数の銅線
その間に入ったものはすべてを切り裂かれる

ジャイ「今度は当てる、シネェ!!」
でん「や、やばい、背は壁にはさまれている、逃げ場が、ない!」





ヤラレル





「陸奥圓明流 龍破(リュウハ)!!」

ジャイ&スネ「な、なにい!」
風か吹いた、その瞬間すべての鋼は断ち切れ地面に落ちていた
「でんでろだな?」
でん「あ、あなたは?」
怒羅「怒羅衛門(ドラエモン)俺は2030年の未来からO嬢の以来であんたを
   助けに来た。未来のムキムキロボットだ。詳しい話は…」

会話の間に回りこみ、ナイフを突き立てようとしたスネ○の体がはねとんだ

怒羅「アイツラをたおしてからだ!!」


まるで踊っているようだった
その未来から来たという男は悪趣味な青い全身タイツをきこみ
その青がまるで残像のようにうごきながら、殴り、折り、砕く
圧倒的な、それを表すならばまさに
殺戮


怒羅「静かになったな…改めて、お前がO嬢の朋友、でんでろだな、俺は
    O嬢からたのまれて来た。お前を朋友の朋友、助けるためにきた」
でん「ど、どうゆうことだ?」
怒羅「語る必要はない。ただ言えるのはいまO嬢はアイツラの上司、
    鬼(オーガ)と呼ばれる男に囚われている」
でん「な、なんだって、助けにいかないと!」
怒羅「待て、お前には無理だ、 奴は、 俺より強い。」

周囲にはスネ○とジャイア○の二人の肉片と血しぶきで染まっていた。
そう、ココは地獄。そして地獄を作った男よりも強い男…

でん「ど、どうすれば…」
怒羅「朋友、お前が強くなれ」
でん「む、無理だ、俺がそんなに強いわけない…」
怒羅「Stand and Fight。立って・・・そして、戦いなさい。
    O嬢からの伝言だ」

………

でん「・・・・・怒羅、俺を、強くしてくれるか?」
怒羅「気にするな、朋友だろう」
でん「…すまん」



そして、ここから俺の戦いは始まった。
O嬢を助けるための、愛する人を助けるための戦いが…


第3部へ続く